減圧症の予防法を知ろう!
ダイバーなら一度は聞いたことがある単語「減圧症」。講習では習ったけれど、自分とはあまり縁のないものと思っていませんか?
しかし、東京医科歯科大学医学部附属病院(高気圧治療部)だけでも、年間400人前後のダイバーが減圧症で治療を受けているのが現実です。
全国の減圧症患者数は、年間1000人近くいると推定されており、決して他人事では済まされない問題なのです。
しかも、減圧症にかかった人の多くが、ダイビング中はダイブコンピュータを使用し、
無減圧潜水時間を守っていることが分かっています。
無減圧潜水時間を守っているのに、減圧症になってしまうことがある。
これは一体、なぜなのでしょうか?
実は、個人差というだけでは片付けられない、いくつかの理由があるのです。
減圧症の患者が増えてきたのは、むしろダイブコンピュータが普及して来てからと言われています。
それは、窒素が吸排出される仕組みをよく理解しないまま、
ダイブコンピュータが示す無減圧潜水ギリギリのダイビングを繰り返すダイバーが多くなったことに他なりません。
最終的には、インストラクターやガイドダイバー、そしてダイブコンピュータに頼るのではなく、
自己管理するという意識がとても大切なのです。
安全にダイビングを楽しむためにも、減圧症とダイブコンピュータについての正しい知識を必ず身につけましょう。
ちょっとした心がけで、これからのダイビングの安全性が飛躍的に高まるはずです。
- 減圧症の予防法を知ろう発症の可能性を低減する基礎知識
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PDFの内容
- 減圧症ってなに?
- どうして身体の中に気泡ができるの?
- 浮上速度は、できるだけゆっくり。安全停止後は、更にゆっくり!
- ダイビング後になぜ、飛行機に乗ってはいけないの?
- 意外な落とし穴。ダイビング後の高所移動。
- 吸排出の「速い組織」と「遅い組織」があることを知ろう
- ダイコンも「速い組織」と「遅い組織」に分けて計算している!
- 残留窒素バーグラフの見方
- ある意味、最も危ない「水深15~19mあたりの長い箱型反復潜水」
- 高所移動時の注意点
- 潜水時間にも気をつけよう!(最も危険なダイビングパターンの一例)
- 水深による減圧潜水切り替わりコンパートメントの変化
- 減圧潜水と減圧停止指示深度
- 減圧症を助長する要因(順不同)
- 減圧症を予防するための心得
- 現行のダイブコンピュータの足りない点を知ろう
- 参考文献、出典一覧