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日本スクーバ協会からご案内日本スクーバ協会 2010年12月1日

各種ホースの定期交換について

私共、日本スクーバ協会はユーザー様がご購入後2年から5年以内に定期的にホースを交換される事を強くお勧め致します。
また、下記のホースの『危険兆候』が見られた場合は、ご購入後の年数に関わらず必ずホースを交換されてからダイビングされる事を重ねてお願い申し上げます。

ホースの経年劣化及び危険兆候一覧
  • ・ホース表面にしわ、亀裂、ひびわれ、ささくれ、などが見られる。
  • ・内部補強材が露出している。
  • ・かしめ金属部に変形やクラックが見られる。
  • ・かしめ金属部に緑錆や赤錆が見られる。
  • ・継続的な気体漏れが見られる。(ただし、スパイキングホールからの微細なものは正常です。)
  • ・圧縮ガスを通した加圧時に膨らみが見られる。
  • ・ネジ溝の消耗が見られる。(オスネジ部及び袋ナット内側部)
  • ・ネジ部(オスネジ部及び袋ナット内側部)に緑錆や赤錆が見られる。
  • ・使用中に極端な負荷がかかった場合。(車に踏まれた、エントリ-時に船等に引っ掛かった。)
  • ・BCやドライスーツ用ホースについてはカプラー部分の塩分や砂等の除去を行い潤滑しても作動が不良である。

最低でも1年に1回は上記危険兆候がホースに現れていないか慎重にご確認下さい。当協会では、毎回のダイビング前にユーザー様自身による危険兆候の確認をお勧め致します。
当協会は、各種ホースをダイビング器材の構成部品の中でも、大変重要なパーツの一つであると考えております。法律で定められている訳ではありませんが、ダイバーの皆様の安全確保のために、定期的な交換と危険兆候をご理解頂きたいと思っております。

当協会が推奨する交換時期は一般的な指標です。メーカーによりましては、もっと短い交換時期を定めているところもございます。つきましては、ユーザー様ご本人でご自分の器材及びホースがどこの製品であるかを把握されて、そのメーカーの推奨交換時期を正しく確認される事が最も重要です。
また、中古品を入手された場合は過去にどのような負荷がホースにかかったのか外観では判らない場合がほとんどです。万が一中古品をご購入になられた場合は、器材のオーバーホールと同時にホースは全て新品交換されてからダイビングされる事を強くお勧め致します。

ダイビングは素晴らしいレジャーですが、ご使用される器材に皆様の大切な生命を預ける行為でもあります。
海を愛する皆様には安全な器材で末永く、スクーバダイビングを楽しんで頂きたいと思います。

ホースの経年劣化及び危険兆候参考例

レギュレーターのナイトロックスガス使用について

近年、圧縮空気を使用したダイビングとは別に、ナイトロックスガスを使用したダイビングが日本でも普及し始めております。ナイトロックスガスは空気よりも、人工的に酸素割合を増やしたガス(窒素割合を減らしたガス)であり、これを使用する事により窒素の人体への溶解を減らす事ができ、減圧時間の短縮やダイビング中の窒素酔いなどの潜水病のリスクを軽減できるメリットをダイバーに提供できるものです。

しかしそれらの長所とともに、酸素割合が増える事によるリスクもダイバーは知っておかなければなりません。リスクは大きくわけて、酸素中毒のリスクの増加に伴う、最大水深の限定と器材への影響になります。

日本スクーバ協会では呼吸するガスの酸素割合に関わらず、ナイトロックスガス用と圧縮空気用のレギュレーターは分別し、各々専用でご使用される事をお勧め致します。

残念ながら市場で動いている圧縮空気用コンプレッサーの中にはメンテナンス不良により、炭素分や油分が混入している空気も多く、それらの油分や炭素分がレギュレーターの内部に蓄積し、それが酸素分圧の高い高圧のナイトロックスガスに接触した場合、完全に安全とは言い切れないためです。

また、レギュレーターによりましてはナイトロックスガスの使用を禁止している製品もありますので、ナイトロックスガスを使用される際は、各潜水指導団体・教育機関による専門の教育を受け、ナイトロックスガスの特性を十分ご理解頂いた上でご使用下さい。なお、特定の機器では、製造元が『40%以下のナイトロックスと圧縮空気の両方に適宜互換の上使用できる』としているレギュレーターもあります。

いずれにしましても、ユーザー様ご本人がご使用になられる前に、ご自分のレギュレーターについてメーカーに必ず詳細をご確認下さい。
さらに、そのレギュレーターが定期的なメンテナンスを受けている事と、使用されるタンクが法定耐圧検査の期限内である事をダイビング前にご本人が確認される事が重要です。
また、ナイトロックスガスをご使用される際は、要望された酸素割合の正しいガスであるかどうか?をご本人が酸素アナライザーの数値を確認した上でご使用下さい。

中古ダイビング器材のご購入及びご使用について

私共、日本スクーバ協会はダイビング器材の中古品の売買について大変危惧しております。正しい整備が施されていない器材や、不具合品をそのままお使いになられると大変危険です。

中古品をご購入される場合は、ご使用になられる製品の器材メーカーにお問い合わせの上、検査か場合によっては修理かオーバーホールをされてからご使用になられる事を強くお勧め致します。

経済的な面につきましても、中古品は場合によってはオーバーホールでの交換パーツ点数が多くなったり、ホース全交換等予想外の費用がかかる場合がございます。
この場合、新品のご購入と変わらない費用がかかる可能性がある事をご認識頂いた上で、売買に臨まれる事をお勧め致します。

さらに、インターネットやオークションで中古品をご購入になられた場合は、メーカーによる器材の保証が受けられないケースが多い事もあわせてご認識下さい。

また、中古品をご購入になられた際は、その器材の操作方法を熟知しているダイビングインストラクターから実際に海洋で、操作方法・緊急時の対処方法・ご使用前ご使用後のチェック方法などを対面で受講し、製品に対する知識及びスキルを取得した上でご使用下さい。

ダイビングは素晴らしいレジャーですが、ご使用される器材に皆様の大切な生命を預ける行為でもあります。安易な中古品の売買及びご使用は危険行為である事をご認識頂きたく切によろしくお願い致します。

海を愛する皆様には安全な器材で末永く、スクーバダイビングを楽しんで頂きたいと思います。

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